院長日記

HbとHbA1c

最近よく「HbA1cが高い」など耳にします。血液検査の結果でHbA1cって項目ありますが、みなさんはどれだけ理解しているのでしょうか?

まず、女性は貧血気味だという人、結構います。生理などで出血する機会がありますからね。私はみんなに葉酸だけじゃなくて「鉄」もしっかり摂ってねと言います。貧血の診断を受けていなくても、フェリチンの値が低いのも良くないよ、隠れ貧血と言われて妊娠しづらいとも言われてるよ、と鉄の摂取を強く勧めています。

貧血かどうかはHb(ヘモグロビン・血色素量)の数値を見ます。このHbの元になっているのが鉄です。Hbが酸素と結びついて、全身に酸素を運んでくれます。全身の細胞が元気に働くためには、酸素と栄養が必要です。つまり、栄養だけ意識してもダメで、酸素も必要だし、それを運ぶHb(の元になる鉄)も必要です。

一方、HbA1c(ヘモグロビン エーワンシー)は、Hbに血中の糖が付いたもので、Hbとは別の物。血液中の糖が多いとHbと結合してHbA1cの形になります。つまり、HbA1cの値(%、割合)が高いと高血糖の恐れがあることになります。血糖値自体は、食事の前後などでも大きく変化しますが、HbA1cの値は、ここ1~2か月の間の状態を現わしています。
つまり、HbA1cが高いから貧血じゃない!って喜ぶことじゃなくて、むしろ良くないことになります。

ここ数年、コロナのおかげで運動不足な人が増えています(私も)。昔のように食べ、運動量が減れば、血糖値が上がってもおかしくありません。おかげで不妊治療を一時中断なんてことにもなりかねません。食事も大事ですが、体を動かすことも忘れずに!

鈴木 清文

鈴木 清文

静岡県浜松市出身。 浜松西高理数科卒業後、大学進学、就職と、流れに任せて時間だけが経つ。生きがいを見つけられず、自分らしい生き方を考え退職。柔道整復師資格を取得後、接骨院を開院。同時に自身夫婦の不妊に対し、何ができるか考え始める。 現在、不妊に悩む夫婦のためにできることを様々な角度から考え、「クリニックで行わないアプローチをなんでも取り入れよう」と日々考察中。患者さんと病院の架け橋役を目指し、これまで200件以上の夫婦に笑顔をお届け。日本生殖医学会会員。 好きな言葉 <夢・生きがい・妄想・まずやってみよう!>

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