院長日記

誰のための人生?

不妊でお悩みの方たちと向き合うようになり何年経つんだろう??我が家の長男が11歳ということは、ウチの光線療法の歴史はそれ以上ということになります。ホント、月日が経つのが早い!本当は、海外旅行とか若いウチにたくさんしたかったですが、仕事や子供のこと(子育てだけじゃなく子作りも)を優先し、遊ぶのはいろいろ人生落ち着いてからでもいい!と決心してからもうこんなに時間が経ってしまいました。遊ぶのは最悪、老後になるかもと思っていましたが、意外とあっという間に老後を迎えちゃうのかも…と最近思います。

いろんな方を見てきましたが、最近は不妊に悩みながらも想いがそこまで深くない方が少し増えてきたように感じます。大抵の方は、不妊治療を続けてもなかなか思うような結果につながらず、悩み抜いてから当院へお越しいただきます。ただ、時々、世間体を気にしたり、旦那さんが欲しがるから、あるいは誰々のために…という方もいます。
自分のためじゃないの?じゃあ、自分はどうなの?
そう思う方がたま〜にいます。

人のために行動することは決して悪いことではありません。でも、もう少し自分の意思を入れてもいいと思います。妊娠したら、妊娠中も出産も出産後も一番大変なのは女性です。そして子供とは一生のお付き合いになります。自分の今後の人生に大きく関わることです。

最近は新型コロナの件もあり、「コロナが落ち着いてから」と考えている人もいると思います。また、そのお陰で収入が激減して生活していくだけで精一杯という人もいると思います。
マズローの欲求にもあるように、人は、まず自分の生命の維持(健康に生きること)を望みます。その上で最低限度の安定した生活ができることを望みます。それらが満たされて初めて家族を持つことを望みます。安定した生活が確保されていなければ、妊娠したいという欲求が下がってもおかしくありません。
でも、「コロナが落ち着いてから」と言っていると、一生に数えるほどしかない妊娠のチャンスを何度も逃すことになります。人によっては妊娠適齢期を過ぎてしまうかもしれません。コロナが落ち着いたと思ったら、次なる何らかの新型ウイルスが流行するかもしれません。自然災害が起こるかもしれません。気にしたらキリがありません。

病院を変えることに抵抗がある人もいます。「先生に悪い気がして…」と言います。不妊鍼灸をやってみたいという人もいます。でも、「知り合いの漢方の先生を辞められないからお金が無くって…」と言います。世の中「付き合いがあるから」というのもわかります。私も付き合いは大事にします。だけど、それに縛られてしまうと、自分の人生が思うように行かない場合も出てきます。

いろいろ話しましたが、これらは全て、自分の人生なのに他のものに決められています。もっと自分の意見を尊重していいと思います。自分が将来こうありたいと思えば、そのための行動は自分で決めないといけません。妊活の場合は夫婦の問題ですから、旦那さんの意見もしっかり聞かないといけませんが、それを踏まえて自分の行動を決めるのは自分です。
思うように行かないことはたくさんあります。私も浜松から静岡へ、こんなに一年以上も車で通勤するとは思っていませんでした。時間もお金もかかりますが、予期せぬコロナの件もありますが、自分で決めたことですので後悔はしていません。むしろ楽しんでやろう!と思っています。たった一度の人生、後悔しないように自分で物事を決断してください!

鈴木 清文

鈴木 清文

静岡県浜松市出身。 浜松西高理数科卒業後、大学進学、就職と、流れに任せて時間だけが経つ。生きがいを見つけられず、自分らしい生き方を考え退職。柔道整復師資格を取得後、接骨院を開院。同時に自身夫婦の不妊に対し、何ができるか考え始める。 現在、不妊に悩む夫婦のためにできることを様々な角度から考え、「クリニックで行わないアプローチをなんでも取り入れよう」と日々考察中。患者さんと病院の架け橋役を目指し、これまで200件以上の夫婦に笑顔をお届け。日本生殖医学会会員。 好きな言葉 <夢・生きがい・妄想・まずやってみよう!>

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