妊活にも腸や肝臓ケア①では、腸の重要性についてお話ししました。ここでは肝臓についてお話します。
妊活に肝臓?
今まで肝臓について意識したことありますか?恐らくほとんどの人は妊活と肝臓は結び付かないのではないでしょうか?
肝臓と言ったら…アルコール?肝硬変?脂肪肝?
私はそんなにお酒飲まないし、肝硬変?脂肪肝?油物はほどほどにしているし、おじさんの話で私はまだ大丈夫でしょ。
そんなイメージじゃないでしょうか?でも、ここには大きな誤解があります。
妊活で検査する臓器は、たいてい子宮や卵巣、卵管などの婦人科系臓器や、ホルモンに繋がる甲状腺だと思います。これらは直接の影響があるため、もちろん重要です。
しかし、肝臓は文字通り、体の肝(キモ)として働きます。
肝臓の働き
まずは、肝臓にはどんな働きがあるか見ていきます。一言で言うと、「消化管から吸収された栄養素を体内で利用可能な形へと代謝する」のが肝臓です。具体的には
- 糖質の貯蔵・供給
- 脂質の合成、輸送中継
- たんぱく質の合成
- 毒物、薬物の解毒、代謝
- ホルモンの不活性化
- 胆汁の合成、分泌
- 脂肪の消化を助ける
などの働きがあります。
糖質の貯蔵・供給
糖質は大事なエネルギー源であることは以前にもお話しました。食後1時間程度をピークに血糖値が上がります。しかし、食後2時間程で血糖値は元に戻ります。血中に十分な糖があるときは、一旦肝臓などに貯えられます。そして、食間の血糖が下がったときには、貯えられた糖を再度血液中へ送り、1日を通して血糖値を安定させます。
血糖が急激に上がって下がってを繰り返すことは、体に負担がかかります。寒暖差と同じですね。差を緩やかにして血糖値を安定させる必要があります。
脂質の合成、輸送中継
血中から脂肪酸を取り込み、トリグリセリド(中性脂肪)、コレステロール、胆汁酸、リン脂質、リポ蛋白を合成します。また、脂肪酸はβ酸化され、エネルギー産生に利用されます。
つまり、飢餓時のエネルギー源確保のための準備をします。
たんぱく質の合成
血中からアミノ酸を取り込み、アルブミンや凝固因子、コリンエステラーゼなどの血漿蛋白を合成します。
つまり、摂取したたんぱく質が分解されてアミノ酸となって血液中を流れ、それを肝臓で再度、体内で使われるたんぱく質の形に合成されます。
毒物、薬物の解毒、代謝
有害物質(毒素、アンモニア、薬物、アルコールなど)を分解、排泄し、無毒化しています。肝臓=アルコールのイメージはここから来ていますが、アルコール代謝はあくまで肝臓の機能の1つでしかありません。
また、薬も本来は体には不要なものであるため、ここで処理されます。薬物の過剰摂取も肝臓負担がかかります。
ホルモンの不活性化
特に女性は生理周期によって必要なホルモンが異なります。エストロゲンなどのステロイドホルモンも、不要な時期には肝臓で不活化されます。
肝臓って忙しいんです
これらのような働きが肝臓にはあります。肝臓が元気に働かないと、これらの処理が追い付かなくなります。お酒の処理して、血糖値の調整して、必要なたんぱく質の合成をして、薬を無毒化して…肝臓に負担がかかり過ぎていると、ホルモンに影響が出てもおかしくありません。糖や脂質を制限し過ぎることも負担になります。
- グルコースを貯える余裕があるか?(筋、脂肪細胞も含めて)
- ホルモンを代謝できる余裕があるか?(高温期にしっかり体温上げることも大事です)
こういったことも大事になります。肝臓も労わってあげてください。
こちらもご覧ください「大事なポイント」「妊活にも腸や肝臓ケア①」