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院長日記

イソフラボンとエクオール

大豆にはイソフラボンが含まれているという話はよく耳にすると思います。そして、大豆イソフラボンは女性ホルモン(エストロゲン)と構造が似ているため、同様な働きをしてくれるといいます。
そして、最近では一歩踏み込んだエクオールという成分にも注目が集まっています。これは、イソフラボンを摂取した際に、イソフラボンの一種であるダイゼインという成分が、そのまま吸収されるか?エクオールという成分に変えて吸収されるか?の違いによって、効果に差があると言います。そして、エクオール産生能は個人差があり、日本人で30~50%、欧米人ではもっと低い割合で産生者であると言います。つまり、日本人でも多くて2人に1人(若い人では欧米人に近いくらいの割合)しかエクオールを作れておらず、せっかくのイソフラボンの効果を発揮できていないことになります。

エクオールを作れる人と作れていない人の違いは、腸内フローラル(腸内細菌)によります。腸内細菌のうち、エクオールを作り出してくれる菌(エクオール産生菌)は世界中で報告されていますが、大塚製薬の研究によれば、ラクトコッカス20‐92株が産生能、安全面から有望だと言います。

あまり難しい話をするのも頭が混乱してしまいますので辞めます。何を言いたいかというと、大豆イソフラボンがいいから摂る、というだけではダメです。腸内環境を整えないといけません。食物繊維、乳酸菌なども大事なため、バランス良く、いろんなものを摂取しないといけません。
「じゃあ、エクオールを飲めばいいじゃん」って思う方もいると思います。それも一つだと思います。ただ、あくまで女性ホルモン様の働きを期待できるものを一生懸命摂るよりも、難しく考えてストレスになるより、バランス良く摂取して体全体を整えて女性ホルモンを整えた方が妊活の上では効果的だと思います。(骨密度や更年期の話になってくるとまた別です)

何をするにしても同じことが言えます。これがいいから飲む。この運動がいいからやる。それももちろんいいのですが、バランス良く行わないと思っているほど効果が出ない場合もあります。不妊治療をしている人なら、「まずは葉酸を摂らなきゃ」と葉酸のサプリを飲むかもしれませんが、何となく飲んでも効果はどうでしょう?葉酸を効率良く働かせるために必要なものもあります。考え出したらキリがないです。考え過ぎて逆にホルモン乱れちゃうかもしれません。だから、あまり深く考えずに、「バランス良く摂取する」それを心がけてください。

鈴木 清文

鈴木 清文

静岡県浜松市出身。 浜松西高理数科卒業後、大学進学、就職と、流れに任せて時間だけが経つ。生きがいを見つけられず、自分らしい生き方を考え退職。柔道整復師資格を取得後、接骨院を開院。同時に自身夫婦の不妊に対し、何ができるか考え始める。 現在、不妊に悩む夫婦のためにできることを様々な角度から考え、「クリニックで行わないアプローチをなんでも取り入れよう」と日々考察中。患者さんと病院の架け橋役を目指し、これまで200件以上の夫婦に笑顔をお届け。日本生殖医学会会員。 好きな言葉 <夢・生きがい・妄想・まずやってみよう!>

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