院長日記

情報量の増加で脳が過労する

先日、カズレーザーさんのテレビ番組で「脳過労」についてやっていました。情報量の増加が脳過労を引き起こすとのこと。早稲田大学の脳神経科学者、枝川義邦教授が仰っていたことを、要点をまとめて挙げます。

  • 我々を取り巻く情報量が急増している
  • 20年前の1200倍
  • 現代人の一日の情報量は、江戸時代の1年分、平安時代の一生分とも言われている
  • 多くの情報が入っても脳は処理しきれず機能低下、脳への血流が不足している
  • 動画の倍速見マルチタスク(同時に2つ以上のことを行うこと)も脳に負担がかかるため良くない
  • 情報を得た快楽からドーパミンが出て、やめられない
  • 脳過労は、物忘れ、判断力の低下、凡ミス、衝動買い、感情コントロール不能につながる
  • 脳を休める時間が必要で、その時間に情報が整理される
  • DMN(デフォルト・モード・ネットワーク)の起動
  • すきま時間こそ、ボーっとするべき

とても納得し、心当たりもあるし、妊活にも大きく関係しそうだったので、私もいろいろ調べました。

番組でも使われていたグラフ。総務省のHPから引用させていただきました。(固定・移動回線それぞれのダウンロード、アップロードの情報量ということでグラフが4つありますが、全てが関係していることになります)
20年で1200倍というとインパクトがすごいですが、ここ10年でも10倍に増え、増加中のところからの、ここ2年で2倍の急増です。コロナや5Gなどが影響していると言います。

まず、一つ気になったこと。脳の「疲労」と「過労」は違うのか?
疲労は一時の疲れ、過労はその積み重ね。そのため、疲労は休めれば取れるが、過労は容易には改善しない、とのこと。ドーパミンが出て快楽の中にいたら、自分では気付きにくいかもしれません。新しい情報を得て満足しているけど、いろんな情報があってどうして良いかわからずに、疲弊してしまう。怖いですが、妊活中って正にそんな状況じゃないですか!?

もう一つ気になったこと。DMNって何?
ぼんやりした状態でも脳は働いています。どうやらその時の脳の活動のことらしいです。適度に働くことは創造力が高まるなどメリットもありますが、活発化は考え過ぎるなどのデメリットがあります。切り替えを上手くできるといいのですが、例えば活発化し過ぎているときは、先のことは考えず、今に集中するマインドフルネスの時間を作ることなどが効果的です。

トイレやお風呂、寝る前、電車の中など、ちょっとしたすきま時間にぼーっと出来ていますか?こんな時間についついスマホを見てしまうことが危険です。脳が休まる時間が無くなっています。
物忘れなどは、老化のせいだと済ませがちです。老化して、物忘れ、判断力の低下が起きているのではなくて、脳過労により自分たちで老化を早めているだけなのかもしれません。
脳がオーバーヒートしてうまく働かないことは、自律神経、ホルモンにも影響します。ここ数年、妊活の様子が少し変わってきたように感じていました。コロナによるストレスが多いからだと思っていましたが、情報量の急増(情報過多)という側面もあることに納得し、私の頭の中で繋がる部分がありました。
でも、これって不妊クリニックで改善するのかな?脳過労(疲労じゃないですよ)ですから脳を休めてあげることが大事で、考え過ぎや不安の払拭など、心のケアで余計な脳への負担を減らしてあげることの方が、結局は最優先なのでは?とつくづく思いました。

鈴木 清文

鈴木 清文

静岡県浜松市出身。 浜松西高理数科卒業後、大学進学、就職と、流れに任せて時間だけが経つ。生きがいを見つけられず、自分らしい生き方を考え退職。柔道整復師資格を取得後、接骨院を開院。同時に自身夫婦の不妊に対し、何ができるか考え始める。 現在、不妊に悩む夫婦のためにできることを様々な角度から考え、「クリニックで行わないアプローチをなんでも取り入れよう」と日々考察中。患者さんと病院の架け橋役を目指し、これまで200件以上の夫婦に笑顔をお届け。日本生殖医学会会員。 好きな言葉 <夢・生きがい・妄想・まずやってみよう!>

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