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院長日記

脳腸相関とホルモン

脳腸相関という言葉を聞いたことがありますか?簡単に言えば、「脳と腸(消化器官)は関係が深いよ」と言うこと。
ストレスが続くと胃腸が痛くなったり、お腹を下したりします。ただ、その逆もあって、胃腸の調子が良くない時には、迷走神経などを介して脳へもマイナスな刺激が伝わり、不安や抑うつなどへと繋がります(内臓感覚)。これらが更に副腎皮質刺激ホルモン放出因子(CRF)や自律神経を介して消化管へ伝わり、腸などの活動が低下し、悪循環に陥ります。うつ患者さんの中には過敏性腸症候群を併せ持つ人も多いと言います。

ストレスは睡眠やホルモン分泌にも影響します。どこかでこの悪循環を断たなければ、不妊治療でいくらホルモン療法を行ってもなかなか成果に繋がらない恐れもあります。

私の経験上、脳への負担(ストレス・不安・考え過ぎなど)が大きい時、免疫力の低下、自律神経の乱れなどに繋がり、腹痛、不眠、食欲低下、腰痛、アレルギーの発症、冷え、口の乾燥などの症状が出ます。私自信の体での経験です。アレルギーも、皮膚に出た時もあれば、普段花粉症ではないのに、その年だけ花粉に反応したりしました。こういった症状が出た時には、「あー、脳が疲れてるんだな」と感じます。
全身の免疫細胞の7割が腸に集中していると言います。腸は消化器官としてだけでなく、免疫器官として、脳への指令として、大事な役割を果たしています。胃腸の状態を崩して免疫力が低下するのも納得できます。

そんな時は、脳を休めることを意識します。でも、それもみんな意外と難しいようで、だったらせめて悪循環を断つために、お腹の状態から整えることをオススメします。
手軽にできることと言えば、食欲がなければ飲み物で栄養を摂ったり、腸内細菌を整えるためにヨーグルトを食べたり乳酸菌飲料を飲んだりします。薬を使ってしっかり治すのも良いと思います。やる気が出なかったり食欲が無いときでも、これくらいならできます!

近年は、腸内細菌に関する研究が盛んに行われています。
幸せホルモンの「セロトニン」の元となる「トリプトファン」は、腸管で約90%作られます。トリプトファンは、食物に含まれる必須アミノ酸で、これが腸内細菌の働きで変化し、それが血管を通って脳に運ばれてセロトニンになります。それを材料に、概日リズム(サーカディアンリズム)の調整作用を持つ「メラトニン」が夜に生成され、睡眠にも影響します。
つまり、幸せホルモン、睡眠、体のリズムのためには、トリプトファン、腸内環境、日光が必要になります。食事系に関しては、栄養素という観点だけでなく、腸内環境を整えることも大事な妊活になります。リセットで指導している4本柱は、内容だけ聞くと一見簡単でそんなことでいいの?と思われるかもしれませんが、施術と4本柱、FePでそこまで考えて構成されています

上図の「ホルモン」に向けての矢印(ストレスからの影響、睡眠の質・不眠からの影響)を断つことは、妊活ホルモンに対してもプラスに働きます。さらに言えば、脳腸相関のサイクルが悪い方向へ回っている場合は、その悪循環も断つ必要があります。それらを改善できたら、今、不妊治療がうまくいかない人たちも、きっと流れが変わってくるでしょう。

鈴木 清文

鈴木 清文

静岡県浜松市出身。 浜松西高理数科卒業後、大学進学、就職と、流れに任せて時間だけが経つ。生きがいを見つけられず、自分らしい生き方を考え退職。柔道整復師資格を取得後、接骨院を開院。同時に自身夫婦の不妊に対し、何ができるか考え始める。 現在、不妊に悩む夫婦のためにできることを様々な角度から考え、「クリニックで行わないアプローチをなんでも取り入れよう」と日々考察中。患者さんと病院の架け橋役を目指し、これまで200件以上の夫婦に笑顔をお届け。日本生殖医学会会員。 好きな言葉 <夢・生きがい・妄想・まずやってみよう!>

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