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院長日記

腸の炎症(炎症性腸疾患・過敏性腸症候群も含む)

以前にも紹介した医学博士である池谷敏郎先生の書籍「体内の炎症を抑えると、病気にならない!」。妊活にも大きく影響する腸の炎症について、もう少し掘り下げたいと思います。(以前の記事はこちら「不妊治療と炎症について」)

腸は炎症しやすい

あらゆる臓器の中で腸は最も「炎症しやすい(老化しやすい)臓器」であると池谷先生は仰います。実際、口から入った食べ物は消化器である胃腸を介して栄養を摂取します。胃で消化され、小さく分解されたものが腸で吸収されます。しかし、食べ過ぎ、咀嚼の問題、胃酸の問題など、胃で十分消化されないまま腸に送られてしまうと、腸へは大きな負担がかかってしまいます。腸内に溜まった未消化物は、有害物質やガスなどの「毒素」を生みます。こうして腸に炎症が起こります。

口から入るものは食べ物だけではありません

腸に負担がかかることで、腸壁が弱まることもあります。リーキーガット症候群のように、腸のバリアが崩れ、腸壁が弱まり、広くなった細胞間から異物が侵入して炎症が起こることもあります。口から入るものは、食べ物に限らず、予期せぬ菌などの毒素が侵入することもあります。

腸炎の原因は?

海洋性大腸炎やクローン病も、腸の粘膜に慢性の炎症が起こります。炎症性腸疾患がなぜこんなに増えているか?まだハッキリとわかりません。体質、生活習慣、腸内バランスの乱れが複雑に絡み合っていると考えられています。特に日本人は、生活習慣と腸内バランスの乱れが大きいと言われています。
ちなみに、過敏性腸症候群(IBS)は、検査上、炎症の所見が見られないが、疼痛、下痢などが見られるとされています。しかし、近年の研究結果では、慢性的な微細な炎症が起きていることがわかりました。(日本内科学会雑誌第109巻第2号p288~など)

腸と自律神経

腹腔内の臓器をコントロールしているものは自律神経になります。消化管の運動・分泌を亢進させるのは副交感神経です。逆に、抑制させるのは交感神経です。体の活動とは逆になります。副交感神経が働かないと、消化管の働きは鈍ってしまいます。

脳腸相関

脳腸相関の話を時々します。脳と腸は関係が深いですよ。
交感神経の緊張状態が続くと、副交感神経のスイッチがうまく入らず、消化管の働きにも影響しそうですよね。逆に、腸が常に何らかの働きをしていたら、抑制させるために常に交感神経のスイッチがONになってしまうかもしれません。過敏性腸症候群などは、まさにこれが原因として大きいと考えられています。
脳と腸が関係深いとなると、考え過ぎで腸に影響出たり、腸が悪いと脳へ(さらに言えばホルモンへ)影響出ても不思議ではありません。特に女性はホルモンの影響を大きく受けます。お腹が痛い、下痢、便秘も改善が必要です。
解決策として、池谷先生は一つ食物繊維を挙げています。特にオクラ、なめこ、里芋などの水溶性食物繊維です。栄養学的にはサプリなどで更に対策できたらと思います。

鈴木 清文

鈴木 清文

静岡県浜松市出身。 浜松西高理数科卒業後、大学進学、就職と、流れに任せて時間だけが経つ。生きがいを見つけられず、自分らしい生き方を考え退職。柔道整復師資格を取得後、接骨院を開院。同時に自身夫婦の不妊に対し、何ができるか考え始める。 現在、不妊に悩む夫婦のためにできることを様々な角度から考え、「クリニックで行わないアプローチをなんでも取り入れよう」と日々考察中。患者さんと病院の架け橋役を目指し、これまで200件以上の夫婦に笑顔をお届け。日本生殖医学会会員。 好きな言葉 <夢・生きがい・妄想・まずやってみよう!>

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