最近、妊活でもミトコンドリアを元気にしましょう!ということが言われています。なぜミトコンドリアを活性化させる必要があるか、わかりますか?そもそもミトコンドリアって何か理解していますか?
ミトコンドリアって何?
ミトコンドリアは、細胞内小器官の1つです。ATPというエネルギーを産生します。このエネルギーを使って細胞が育ったり、活動したりします。
エネルギーと聞いてもイメージしずらいかもしれませんね。車でいうガソリン、スマホでいうバッテリー(電池)のようなものです。どんなに良い本体があっても、それを動かすエネルギーが無いと機能しません。エネルギーはたくさんあった方がいいです。
ATPはどうやって生成される?
人間の体はすべて細胞で出来ています。細胞内にグルコースが取り込まれ、解糖系という過程でピルビン酸に変わり、その際、ATPが生成されます。そのピルビン酸は、ミトコンドリア内に取り込まれ、アセチルCoAとなり、クエン酸回路、電子伝達系などの過程で更にATPを生成します。
ここで大事なこと。ATPはミトコンドリア内での働き(クエン酸回路や電子伝達系など)の方が、圧倒的にATPを生成するということ。このミトコンドリアがしっかり働かないとエネルギーが不足しがちになります。
妊活にとって大事なこと
ATPは、体を動かすための筋肉を働かせるためにも必要ですし、臓器を働かせるためにも必要です。もっとミクロに見ていくと、細胞自体が元気に働くために必要です。
それは、子宮、卵巣も同様で、これらの臓器がしっかり働くためでもあり、もっと言えば、卵巣内の原始細胞がしっかり育ち、良い卵子ができるためにも必要になります。
さらに大きな事実として
大事なATPを生成するミトコンドリアですが、実は、受精卵は、母親からのミトコンドリアしか受け継がれないという事実があります。論文などでもありますが、ここのサイトの図を見るのがわかりやすいと思います。
(遺伝性疾患プラスさんのサイト:ミトコンドリア病という言葉が出てきますが、その疾患がどうこうではなくて、図を参考にしてもらいたいだけです)
つまり、不妊治療で体外受精などを行う以前に、母親となる女性側のミトコンドリアがしっかり働く状態を作ってあげることが必須になります。それが子宮・卵巣の状態へも影響します。それが出来ていない状態で不妊治療を進めても苦戦することが予想されます。時には胎児のミトコンドリアへも影響するかもしれません。
難しい話は普段はあまりしないようにしていますが、体質改善と一言で言っていますが、実は当院はそこを目標としています。
この辺の話は、深掘りしていくとまだまだ話しておきたいことがたくさんありますが、長くなりそうなので、また次回にします。ミトコンドリアが働き、エネルギーあふれる体が必要なのは理解してもらえたでしょうか!?